200年目の鐘



              Ding-dong 4
               〜大地の試練と破壊の神?〜 

「あれは、炎の神殿でしょうか?」
「おそらくな」
「地獄谷をクリアすれば結構近いんだな」
「目と鼻の先って感じ?」
「でもどうやって登るんだ?」
 ラウルの言葉に考え込む一同。
「まあ」
 セレナは手をポンッと叩くと少し正面を指差した。
「あんな所に階段がありますわ」
「「「ええっ?」」」
 「よかった。これで問題は解決しましたね。それでは先を急
 ぎましょう」

 驚き振向く一同の中で、リラだけが冷静に事を返し、真っ先に階段へと向かっていった。
「何の反応を示さないとは、さすがリラ。我が認めただけの事
 はある」

 一人で妙に納得し、リュウキもまた階段へと足を運んだ。
「ま、いっか」
 そうしてクロノスもまた、後に続き、その後を精霊二人とラ
ウルが追った。
 少し長い石段を登り終え、神殿の前までやって来るとその扉の前には一人の少女が立っていた。
 ポーニーテールの一人の少女。
 幼くも大人びても見える少女はその容姿からは年齢を判別する事は出来ない。
 また、その少女の隣には透き通るような赤い髪をした、ショートカットの少女が佇んでいた。
「さて、王様はどちらかしら?」
「私です」
 腕を組み、微笑みながら言う少女の問いに、リラは一歩前へ踏み出すと答える。
「そう。あなたなの。あたしはミレル。ミレル=ユウ=ドリ
 ス。こっちは炎の精霊、キーラ。あなた名前は?」

「リラ=ローズ=ランクタッドです」
「ふうん。リラちゃん?じゃあ中へ入って。契約を行うわ」
「え?」
「おい、ミレル。マスターは王を試し認める。それが決まりだ
 ろ?」

「だって…」
 
ミレルが扉を開けると同時に叫んだクロノス。その彼の方を
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