200年目の鐘



             Ding-dong 5
                    〜星空の下で〜

 その日は全員疲れていたので話は明朝という事にして、地の神殿に泊まる事になった。   
 本当の闘いもまた明日。
 そう考えるとラウルはまだ眠れずに居た。一つの部屋に布団を敷き、全員雑魚寝。そこにはリラの姿がなかった。彼らを起こさぬようラウルはそっと外へ出る。
 何もない草原、地平線まで見えるその上には数多の星が降り注いでいた。
 少し丘になっている所の上、そこに座っているリラの姿を見つけ、ラウルは彼女のほうへ歩み寄る。
 そして後ろに立った時だった。
「不思議ですね」
 リラが不意に口を開く。ラウルは黙ってその脇に腰を下ろした。
「私達、まだ会って一日しかたっていないんですよ?色々 ありましたね……って笑って言えたらいいですよね」
(愚痴!?)
 ラウルは内心少し驚きながらも一呼吸おいて、そして言った。


  
                 4へ   閉じる  次へ