Epilogue
〜200年目の鐘〜
「いってきまーすっ」
ラウルは城の門を飛び出した。
「え!?ちょっと王様!?どちらへ!??」
門番の兵士が慌てて訪ねると、答えは城の中から帰ってき
た。
「大切な人の所よ」
「ミレル様!!」
「貴方は新人なの?」
「はっ。自分は今日ここに配属されました」
兵士はきをつけをし、ピシッとした態度で挨拶をする。
ミレルは笑いながら言った。
「そんな畏まらなくてもいいわ。ラウ君は毎年出かけるのよ」
「はあ、あの…」
「ん?」
「王様がわざわざ会いに行かれるんですか?相手が来るのでは
なくて?」
「ああ、それは」
「来られないんだよ」
「ク、クロノス様!?」
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後ろから顔を出したクロノスに兵士はまた驚く。
「いいねえ。その反応」
なんだか楽しんでいるクロノスに兵士は困惑しながら聞い
た。
「来られないとは…病気か何かなのですか?」
「いや、もう居ないんだ。200年前、王と共に世界を守った
英雄」
「あ、その話なら知っています。では」
「そう、墓参りね」
「そう…ですか…」
「ぬしらこんなとこにおったのか?」
兵士が沈んだ顔をしたかと思うと城の方からまた新たな声が聞こえる。
「あ、リュウ君」
兵士はもう誰でも来いっという顔をしていた。
「準備はまだ終わってはおらぬぞ」
「準備?」
兵士が聞く。
「ああ、明日はパーティーだからな」
「パーティー?」
「ラウル王就任200周年パーティー」
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