200年目の鐘



振向きながら、ミレルは言った。
「貴方達、あの谷を渡ってきたんでしょ?あそこ、唯でさえ回
 り道をしてくる人多いのに。地の精霊無しでこんなに早く着
 くなんてねえ。予想外だわ。試練にはそれで十分でしょ?そ
 れに王様可愛いしね」

「はあ?」
 満面の笑みで笑うミレルに呆れた言葉を返すクロノス。
「試練より、あたしは好きか嫌いかが重要だと思うわ。何にお
 いても、ね。それにあたし、可愛い子好きだし」

 ミレルの言葉に頷きながらキーラが口を開く。
「あたしはミレルがいいって言うなら何でもいいよ。リラ様、
 こっちにきて」

 リラは手を引かれるままに奥へと消えていった。
「なんか、マスターって変わり者ばかりなんだな」
目を点にしながら呟くラウル。
「いや、ラウル。俺はいたってまともだぞ?」
「どうだろ」
「君」
 肩にかけられたクロノスの手を払おうとした時、目の前に覗き込むようにしてミレルの顔が迫った。
「な、何ですか?」
 近すぎる顔に頬を赤らめ遠ざかりながら答える。

 
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