「どの精霊のマスターでもないけど、何者?」
「…」
何と答えようか、そう言葉を濁している所に助け舟を出してきたのは、以外にもクロノスだった。
「王様曰く、重要な鍵を握る人物なんだと」
「重要な?」
質問してきたのはミレルではなくリュウキだった。
「あ。リュウ君、居たの?」
「…ミレル。お主我を馬鹿にしているのか?」
「やだなあ、してないわよう。冗談。気づいてたって」
「もう、いいっ。で、重要なって何だ?」
「さてね。俺も良くわからんよ」
「全くいい加減な」
「まあ。いじゃん」
「とにかく重要なのね」
「リュウキ様。リラ様に聞いた方がよろしいのではありません
か?」
「私もそれがいいと思う」
三人に精霊も加わり、話題の本人がいるにもかかわらず、いつの間にか話はリラへと向けられていた。
「あのさ」
「ああっ」 |
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ラウルが口を開くと同時にミレルは叫び彼の方に目を向け
た。
「まだ名前聞いてなかったわ」
「…ラウル」
「そう。で、ラウル、何?」
自分で会話を切った事は気にもせず、ミレルは興味有り気に聞き返す。
「…俺が何者かはそのうち話すから、待って欲しいんだ。リラ
が、本当に俺を知っているのかは分からない。彼女は一
体…」
「ねえ、ラウル。もしかしてリラを信用してないの?」
「……」
否定できないその言葉に、ラウル沈黙をみせながら俯く。
彼女を信用している者に「あまり信用していない」と言ってもいいのだろうか。
そんな疑問が頭を過ぎった。
しかし、今は最初と違いそこまで信用していな訳ではなかった。だが、彼女への多数の疑問がそれを消してはくれない。
聞けば分かることだとは解っているのだが何故かそう出来ないでいた。
みんなの視線が集まる中、その声は神殿の方から聞こえてき
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