真顔で講義したクロノスにミレルが突っ込む。
「なるほど、それで時の一族のことを知っていたのじゃな」
「重要なってこういうことだったのだな」
男は冷ややかな眼でラウルを見詰めると言った。
「ラウル…か…」
「何のために父さんを、皆を殺して…。ルーン王まで…」
「ふんっ。お前にはもう用はないと言ったはずだ。のこのこと
私の前に何度も現れるな!さあリラ!」
リラはラウルの方を向いて、そして囁いた。
「思い出してください。マリアが、貴方のお母さまがどんな人 だったかを…」
そして振り返ると檻から離れて男の方へ向かった。
「そう、それでいい…」
男は微笑むと人差し指を彼らの方へ突き出し、そしてその指先が光る。
「消えろ、ラウル」
次の瞬間、檻の中に彼らの姿はなかった。
だがリラはただ黙って立ち尽くしている。
ふと男がリラの腕を見るとその手には腕輪はついていなかった。男はリラの腕を掴むと殺気だったまま怒鳴る。
「貴様!腕輪はどうした!?」
「…貴方が一番ご存知なのではないですか?」
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その瞳もまたしっかりと彼の眼を見据えていた。
「…あの小僧か!?」
「そう、でも心配などいりませんよ。彼は戻ってくるのですか
ら」
「なんだと?」
「私は過去を見てきました」
「過去?まさか!?」
「そう、彼らが向かったのはあの時代。戻ってくるのです。真
実を知って…、貴方が本当は誰なのかを知って…ね」
「…小娘がっ」
そのまま掴んでいた腕を捻り上げる。
「…っ」
嫌な音がした。腕を折られ、うめき声を上げはしたものの、リラは叫ばず、ただ男を睨みつけていた。
舌打ちをするとそのまま一人の兵士を呼び、リラを地下牢への幽閉を命じた。
「連れて行け、だが、殺すなよ」
一人部屋に残った男はふと笑い、一人の女の言葉を思い出していた。 『私の息子が、必ず貴方を止めるわ』
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