200年目の鐘



殺した、いや、乗っ取った人。
 黄金色の長い髪を肩にたらし、オレンジ色の瞳で彼女は一瞬驚いたようにラウルを見詰め、そして笑った。
「どうしたの?ラウル。そんなに慌てて」
「本当に、ルーン王…?」
 嬉しいような、悲しいような感情がその胸に広がる。
「?何を…」
 ルーン王は一度不思議そうな顔をしたが、納得したようにラウルを見て真剣な瞳で続けた。
「ラウル、貴方…未来からきたのね?」
「どうして…?」
「この時代とは違う精霊の気配がするわ」
「…」
 黙ったラウルにルーン王は微笑みながら言う。
「貴方は私の未来を知っているのね」
 ラウルは彼女から視線を逸らし、そして再び沈黙した。
「いいのよ。大体予想はついてるから」
 悲しそうな顔を向け、ラウルは彼女に頭を下げる。
「ごめんなさい。俺の…母さんが…」
「違うわ!」
 言いかけた言葉を遮りルーン王は力いっぱい叫んだ。
 ラウルは驚き彼女の方を向く。


 
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