200年目の鐘



「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
「だ、だからここ最近あのコップが出てこなかったの
 かー!!」

「し、しまった!何を告白するのか決めてなかったー!!」
 ラウルとミレルが叫んだのはほぼ同時だった。
「ラウル、あの、ごめんなさい。別に隠そうとしていたわけで
 はないんですよ、でもなかなか言い出せなくて」

「いや…もういいよ」
 必死に誤るリラと、落ち込むラウル。
「折角リラが告白するとこ見れると思ったのに、馬鹿かお前
 は!!」

「リラちゃんが天然過ぎるんだよぅ」
 怒鳴るクロノスと頭を抱えるミレル。
 
こうしてどたばたとした一日は幕を閉じた。
  

 誰も居なくなった後。
「そういえばリラちゃんって誰かに贈り物あげた?」

「え?ええ…」
 ミレルがそう何気なく聞いてみると、リラはテレながら同意した。
 リラが照れるなんて珍しい。

 ミレルはますます興味をそそり深く突っ込んでみた。
「ねえ、誰にあげたの?」
「ラ…」
「ラウル?」

 わくわくと身を乗り出す彼女に、リラは視線をそらしたまま答える。
「ラウルの飼っている猫に魚を…私の最近のお気に入りなん
 です」

「そ、そう」
 がっくりと肩を落とすミレルを、リラは不思議そうな顔で見つめた。
(ラウ君猫に負けたのね)
 







        
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