200年目の鐘



 5位 リラ           0
「いやん、私ってやっぱりもてるわね」
「男性票独り占めしてれば勝てるわな。ってことでリュウ
 キ、残念だったな。約束はなしだ」

「くっ。次の勝負は絶対勝つぞ」
「お前には負けねえよ」
「それは我の台詞だ」
「はいはい。モー君も意外と頑張ったのね」
「まあな、わしもそれなりに人気があるということじゃ」
「ラウ君もなんなのこのプレゼントの山」
「いいだろ?欲しがってもあげないよ」
「…ラウル、殆どチョコレートのようだから、全部食べたら
 大変なことになるぞ?」

 リュウキの突っ込みにラウルは肩をすくめて、
「じゃ、皆で分けるか」
 そう言った。
「皆さんすごいんですね、そんな贈り物が一日に届くなん
 て。世界中探してもこれだけの人数が一日にこんなに贈り
 物をもらえる所なんてそうそうありませんよ」

 その言葉をきっかけに一つも貰ってないリラの方をみながそろって見つめた。
 とても期待の篭った目で。

「リラちゃん、罰ゲーム、覚えてるよね?」
 ミレルがウキウキしながら近寄ってくる。

「はい、ちゃんと覚えていますよ」

「ではでは、罰ゲームタイムいってみよう!!」
 リラにそう促すと、彼女は、仕方ありませんね、そう言ってラウルの方へ歩みを進めた。
 その場は静まり返り、全員が息を呑む。
 リラはそのままラウルの前まで来ると、真剣な眼差しで彼の瞳を見つめた。
「ラウル、実は私…」
 そういわれてラウルの胸がドキッと鳴った。
「あ、ああ」
 そう答える。
 リラは一瞬視線をそらして躊躇し、そして意を決したように彼を再び見つめた。
 皆が前へ乗り出す。
 ラウルは自分の動悸が早くなるのを感じていた。
 そして、
 彼女は叫んだ。
「ラウルのお気に入りのコップを割ってしまったのは私なんで
 す!すみません!!」

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