次の日、男や村のものに感謝されながらそこを後にした。
報酬をもらえる仕事なのだが、今回は自分が解決したわけではないので紅夜はそれを受け取らなかった。
「貰えばよかったのに…」
「そういう訳にもいきません。私達は何もしていないんですか
ら」
「紅夜頭固すぎー」
「それよりも、火乃杜に先を越される前に急ぎますよ!」
「そんな対抗意識もやさんでもいいんでないの?」
「無能と言われたんですよ?そいうはいきません!」
「ったく、変なとこで餓鬼なんだから」
「何か言いました?」
呟くように言った悠真を睨みつける紅夜。やばいと思い、その横を早足で通り過ぎていく悠真。
こうして二人の『深海の王』を求める旅が幕を開けた。
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