200年目の鐘



の契約、確かに申し受る」
 精霊と人間、二人の手に挟まれた石が青白い光を放ったかと思うと、リラの腕輪の窪みにそれは一瞬の内に収まった。
 リノから手を離し、腕を回して確かめるとそのまま二人を真っ直ぐ見据える。
「これから宜しくお願いいたします」
 クロノスはにんまりと笑い答える。
「おう、任せとけ」
「ちゃんと最後までお供するからさ」
「はい」
「って事で、話も纏まったし。ばびゅんと飛んでこー!」
 拳を上に突き出し、楽しそうに言うリノにリラは眉を顰め問いかけた。
「…飛ぶ、とは…?」
その答えはクロノスから返ってきた。
「ああ、まあ今回は特別だな。第一に、時間がないって事。何
 日もかけてる暇は無い。第二にもう試練は終了した。だか
 ら、風の神殿まで転移装置で移動する。んで、つまり飛ぶっ
 て事」

「そんな物が神殿にあるんですか?」
「精霊同士も、マスター同士も交流が必要だろ?それに、ずっ
 とこんな所に篭りっきりじゃ、ストレスが溜まるってもん
 だぜ?」
「それは、確かに。便利、と言うべきかは分かりませんが…」
「いいだろ?ある程度の範囲なら何処でも行けるんだ」
「まあ、そうですね。住みたいとは思いませんけど」
「あ、そう」
「そうです」
「住むのも結構いいと思うんだけどなあ」
 呟きのように、しかし確かに聞こえる様に発せられたその不満の声を無視してリラは言った。
「…それよりも急ぎましょう。案内して下さい」
「こっちだよ」
 リノに案内されるがまま、三人はさらに奥の部屋へと向か
う。

その直前。
「おい」
 ずっと黙りっぱなしだった少年に向かってクロノスは呼びかけた。
「え?」
「行くぞ」
 そう言われ、奥に向かうクロノスを見て、ようやく周りに誰も居ない事に気づき、慌てて彼らの後を追った。奥の扉を潜ると
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