200年目の鐘



「我も探してくるとしよう」
「え?何?皆何で分かったんだ?」

「やれやれ。これだから馬鹿は…」
「だから馬鹿はやめろよ」
「本当の事であろう」
 言い合いながらも遠ざかって行く二人。全員が居なくなった後で、ラウルもその場から離れた。幸い此処は谷、大きさはともかく、石ならそこら辺にごろごろしていた。六人で探せばそんなに時間もかからず、見つける事が出来るだろう。
(それにしても、暑いな)
 ラウルは再び額の汗を拭うと空を仰いだ。

 戻っては取りに行き、ようやく十分に集まった頃には、日はもう沈みかけていた。周りがマグマのせいで、火の精霊が居なくても明かりに困らなかったのは幸いだった。
「やることは解っていると思うので、セレナさん、宜しく」
「解りましたわ」
 クロノスは未だに訳が判らないらしく、セレナの様子をじっと見つめている。
 口の中で呪を呟きながら、セレナは両手を前にかざした。
 石は次々と浮き上がり、一つの列を作っていく。
 セレナの力で完成した石の橋は、幅はあまりないものの、向

こう側へ行くには十分なものだった。
「おお〜」

 今更感嘆の声を上げるクロノス。
 それを小ばかにしたようにまたリュウキは笑った。
「今更気づいたのか、馬鹿め」
「けっ。途中でおちるなよ、おチビちゃん」
「誰が、馬鹿とは違う、落ちる筈なろう」
「はいはい。おしまい。それでさ、リノ」
「何?ラウル」
「皆を水で保護してくれないか?この高さじゃ触れてないとは
 いえ、かなり暑い。火の粉が飛びでもしたら火傷するかもし
 れないからな」

「ん、分かった」
「では行きましょう。結構距離があるみたいですし、あまり時
 間をかけるとセレナに負担がかかります。それから二人と
 も、喧嘩していると本当に落ちてしまいますよ」

 リノの保護を受け、リラはふわりと石の端へ飛び乗ると、すたすたと歩き出した。
 それにラウルが続く。

 セレナとリノは、いがみ合っているマスターをそれぞれが引きずりながら後に続いた。
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