200年目の鐘



炎の柱が上がり、まぶしい太陽の下へと八人は放り出され
る。

「痛〜」
 誰かが叫びラウルは辺りを見回した。
 ただ広い草原が広がっている。所々に短い木が生えていた。
 その中に一つだけ建物が建っている。地の神殿。広い大地に一つ、それはなんとも異様な光景だった。
「相変らずなにもないところだな」
「まあ破壊神にとっては都合いいからいいんじゃん?」
「確かに何もない方がいいわね」
「「…破壊神?」」
 眉を顰め問いかけるラウルとリラ。それに三人は行けば解ると口をそろえて答えた。
 
 夕日が反射するオレンジ色の神殿の扉を開けると、そこは一面の砂だった。床を作らなかった訳ではなく、わざわざ敷き詰められたようだ。砂の周りには床らしきものがある。またその中央には一人の小柄な少年がにこりとさわやかな微笑みを浮かべ座っている。
「貴方が地の…?」
「君が王様かあ〜?」
「はい」

 問いかけると逆に問い返されたが、リラは気を悪くした様子もなくはっきりと答えた。
「そっか」
 また満面の笑みで少年は微笑み、それ以上答えず沈黙がながながと続く。リラももう一度聞けばいいのだが、そのまま少年の言葉を待っているようだった。
「あのさ、何でそこで止まるんだよ?」
「??」
 そのまま質問したラウルへと顔を向け、少年は不思議そうな顔をする。
そこでまた会話が止った。
「もう、なんでラウ君まで止まるのよ!?」
 叫んだミレル。少年は見慣れた顔ぶれを見つけ嬉しそうに座ったまま手をふる。
「あ〜、みんな久しぶり〜」
「……はあ」
「?」
 どこからともなく聞こえてくる溜息に少年はまたもや首をかしげた。
「あの、この子が破壊神なんですか?」
 に手を当てて彼を見ながら聞くリラにクロノスは手を違うと
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