200年目の鐘



 した。その過程を、過去を見せて欲しいと」
「……」
「一人の女による時の一族の消滅。実の姉の体までも転がって
 いた…」

「ユリア…」
「ええ。本当に仲の良い双子だったようです。そして王の乗っ
 取り……過去を見ている中で、私は一人の男の子を見つけま
 した。誰ともすぐに仲良くなれる男の子。精霊王とさえも親
 しかった。羨ましかった、そして、見ているうちに惹かれて
 言ったんです。そう、私はその子に恋をしました」

「へ!?」
 突然何を言い出すのかと驚きでラウルの声が裏返る。
「時の流れが違う、決して会えないと解っていても…」
「…えっと…」
 慰めるべきかどうか言葉を濁すラウルに構わずリラは続け
た。

「本当は貴方に本名を名乗らなくてもよかった…でも、そうし
 たのは、貴方が私をあの場所から連れ出してくれる人だと知
 っていたから。私の見ていた男の子…、たった一人、過去に
 時を渡った人物、時の神は腕輪を持っているその子を、まだ
 森で保護されていた私の所へ導きました。全てを終わらせる
 ために…」

「それって…」
「『待っていた』といった理由です」
「そうじゃなくて…」
 リラはラウルの口に人差し指を押し当てて言葉を制した。
「少しだけでいいんです。私を、私達の事を、信じてくださ
 い」


「おお〜、なんかいい感じじゃない?」
「覗き見は悪趣味だぞ」
「うっせえなあ、嫌なら帰ればいいだろ?全く背も気もちっち
 ゃいんだから」

「なんだと!?」
「もう、静かにしてよ」
「そうじゃ、ちっとは静にせんか!
「馬鹿、声でかいよ」
 眠っている精霊を神殿に置き去りにし、四人は物陰に隠れて二人の様子をじっと見ていた。
 が、またいつもの二人が騒ぎ出す始末。取り敢えずばれたらまずいので止めようとしていた時だった。
「あ。ちょっと!!リラちゃんいなよ!?」
「何!?」
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