「相手は可愛い女の子かしら?あまり話せないのは残念だけ
ど、早く戻ったほうがいいわね」
楽しそうにいうルーン王の前半の台詞を無視し、ラウルは問う。
「…でも…どうやって…?」
「時の神の所へおい来なさい」
「時の…神」
「そう、ちょっとそれ、貸してくれない?」
そういって指差された腕輪をルーン王のへ差し出した。
彼女はそれを受け取ると両手に挟み、眼を閉じて何かを念じる。
手の中がぼうっと明るくなり、七色に発光したかと思うと、ラウルの後ろでがたんっと激しい物音が聞こえた。
「いったーい」
聞きなれた少女の声。
「あ、ラウル、無事だったんだ」
「もう会えんかと思ったぞ」
「一体ここは何処じゃ?リラは?」
「ってか皆どいてよー」
「皆?」
マスターと精霊が折り重なるようにしてそこに居た。
「今、この世界に、他とは違う精霊の気配を感じたから。呼ん
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だの。はい、返すわね」
そういって差し出された腕輪を受け取る。
「あのっ」
まだ話したいことがたくさんあった。もう会うことのできない彼女に。しかし、
「彼らと一緒なら、時の神の力を借りればきっとその時代に帰
れる。奥に転移装置があるから使うといいわ」
ルーン王は彼の言葉を遮った。
悲しそうな表情を浮べながら、一つの扉を指して。
拳を握り締め、奥の扉に消えていく少年の姿を見ながら、彼女は言った。
「未来は変えられないのかもしれない。でも、貴方にヒントを
貰ったから、だから悪あがきくらいはしてみるわ。ラウル、
マリアを、私の親友の魂を、どうか解放してあげて。さよう
なら、ラウル」
奥の部屋、少しの段差の上にある巨大な文様。どの神殿のものとも違っていた。
四人の精霊は五人を囲むようにしてその転移装置に乗ると、それぞれの音を、共鳴させ、涼やかな流れを作るといつもとは違い、両手を交差させ上に上げた。
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