東の塔の最上階。
そこは部屋ではなく屋上のようになっていて、城の中では一番の絶景が見渡せる場所だった。
髪を風邪になびかせ、城壁に寄りかかりながら頬杖をつき、日向ぼっこでもするかのように幸せそうにその風景をリラはぼうっと眺めている。
背後でガタンっと音がした。
振り向くと、床にある扉が開き息を切らしながら這い上がってきたミレルの姿を確認する。
「あら、ミレル。こんなところまでわざわざ来るなんて、何か
私に用ですか?」
この塔には階段しかなく、屋上まで来る物好きはリラくらいのもので、ほかの人が此処を訪れる時と言えば彼女に用がある時くらいのものだった。
ちなみにリラは一日を大抵この場所で過ごす。
つまり朝から晩までこの大空の下にいるのだ。
一体何が楽しいのだろうと皆思うのだが、ラウルだけは、まあリラだから、とよく分からないことを言って納得していた。
「私はこの塔に昇降機を付けることを提案するわ」
そんなことを呟きながら座ったまま彼女を一瞬ちらりと見
て、疲れきった顔を笑顔に戻し、リラのほうへ向き直ると説明を始める。
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「今、皆でゲームをしてるの」
「ゲーム、ですか?」
「今日はお気に入りに贈り物をする日なわけよ。で、今日中に
贈り物をいくつ貰えるか皆で勝負してるの」
「贈り物を…素敵な日ですね」
「そうそう素敵な日。で、ビリの人は告白するってルール。参
加必須!期限は0時の鐘がなるまで。分かった?」
「ええ。分かりました。0時ですね」
「そう。伝えたよ?じゃあ、私は行くから」
またあの長い階段を下りるのかと、ぶつぶつと呟きながらミレルは重い足取りで扉を開け階段を下りていく。
「でも贈り物を今日中に貰う、しかも数を競うなんて、皆さん
には今日贈り物が届く確信なんてあるんでしょうか?」
そんなことを呟きながらリラはもう一度風景を見渡した。
「とりあえず届くといえば城門ですね」
城壁に足をかけると遥か下のほうに見える地へと飛び降り
た。
もう王ではないといえ、もともと精霊に好かれる魂を持った彼女は、風の精霊に力をかり、地に足を付けたのだった。
城門までたどり着くと、リラ門番をしている兵士に、
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