200年目の鐘



 しばらくして、モーガリスの前には沢山のプレゼントンの山々が積まれてる。
「これで勝負に挑んでくださいな」

「よがっだでねーが」
「おう、すまないな。マームさん、感謝するぞ」
 モーガリスはうれしそうに笑った。

 リラは入れ替わる門番と結局今まで話しこんでいた。
 彼女と話すため、門番の当番である兵士はまだ交代の時間より早いのにこの退屈な仕事をしようと、入れ替わりやってきていた。
 0時の鐘が鳴った。
 試合終了の合図。
 リラはもう時間だといって椅子を門番に返し深々と頭を下
げ、何故か彼らに笑顔で見送られながら去っていく。

「結局誰からも贈り物、ありませんでしたね」

 ミレルは兵士から貰ったものをワゴンでガラガラと引き、広間へと向かう。
「マスターいたー!!」
 キーラがやっと発見したというように彼女の元へ向かってくると、小さな包みを差し出した。

 「マスターへのプレゼント!」
 ミレルはとてもうれしそうにキーラへと抱きつく。
「きゃあ、キーラ大好きっ」


 クロノスは両腕でプレゼントの山を抱え、廊下を歩いてい
た。

 それは腕の中でバランスを保っているのもおかしいくらいの量。
今にもくずれそうだ。
 しかも自分で持てなくなった分はリノに持たせ、それも奇妙なバランスをとっている。
 はっきり言って二人のバランス感覚はおかしい。
「何でボクが持たなきゃならないのー」
 不満を口にするリノに向かって彼は、
「だってお前俺に何もくれなかったじゃん」
 そう言った。
 リノはぶうっと頬を膨らませ、
「こんな勝負してたの知らないもん」
 とそっぽを向く。
「まあ、でもこれだけあればラウルにも勝ったんじゃないか?
 優勝は俺で決まりだな」 

               前へ   閉じる  次へ