200年目の鐘



 
 リュウキはサンタクロースが持っているような大きな袋を引きずっていた。

 その後ろをセレナが心配そうについていく。
「リュウキ様大丈夫ですの?大変でしたらわたくしが持ちまし
 てよ?」

「大丈夫だ、これくらい。見てろよクロノス。主の鼻っ柱、我
 がへし折ってくれる」

 そんなことを呟き、怪しい笑みを浮かべながら、しかもとても大変そうに広間へ向かった。
「リュウキ様、本当に大丈夫ですの?どうしても自分でと仰る
 なら風の力で運んだほうがよろしいのではなくて?」

ピタリとその手を止め、振り向く。
「それを先に言え!!」

「まあこれだけ貰えれば合格なんじゃねえのけ?」
 グリスの言葉にモーガリスは頷く。
「じゃな。マームさんのお陰でビリは免れることができるかも
 しれんのう」


 広間に全員が顔を出したのはほぼ同時だった。
 皆が皆自身満々にそこに足を踏み入れたとき、全員が負け

た、と思う。
 ラウルの周りには全国から送られた贈り物が並々と並んでいた。

「ホント、流行ってるんだな」
 そんなことを言う。
「やっぱり権力には勝てないのか、そうなのか?」
 クロノスががっくりと肩を落とす。
 ミレルはその肩をポンっと叩き言った。
「まあまあ、大体予想はついてたじゃない。それに本当の目的
 は…ねえ?」

 その言葉にクロノスはバット顔を上げ、そうだった、そう言うと周りを見回しよしっとガッツポーズをつくる。
「まあとりあえず結果発表じゃな。まあ、ラウルが一位なのは
 確実として。数えるぞー!」

 ・・・・・・・・・
 しばしの沈黙。
 結果はこうなった。
 1位 ラウル                                    数え切れません
 2位 ミレル                                    87
 3位 クロノス、リュウキ               51
 4位 モーガリス                             29
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