「さっきどうでもいいとか行ってなかっひゃ?っへ、ひゃめひ
ょー」
悠真の頬を掴み横に伸ばしながら紅夜は言った。
「そんな事言ってると、私一人で行きますよ?」
首を大きく振り、その手で紅夜の手を払いながら悠真は慌てて弁論する。
「悪かったよ。でも俺の推論は外れてなかったな」
「推論?」
「白き光を放つ者、これって霊力のある奴のことだろ?」
「推論…ねえ」
苦笑いを浮かべる紅夜を観て、悠真は口を尖らせる。
「なんだよ」
「いや、いいですよ。言っておきますけど行くのは仕事が終わ
ってからですよ」
「んー」
「じゃあ…」
悠真の肩を掴み、扉の外へ押しながら言った。
「支度をするので外で待っていてくださいね」
「で、今日はどんな依頼な訳?」
何もない道を歩きながら悠真は問いかける。
「東の村なんですけど、何でも夜中女性の血を吸う妖怪が出る
|
|
とか。それも予告つきで」
「はあ?予告?」
眉を顰めながらも再び聞き返す。
「ええ。私も良くはわかりませんが、村人に逃げても無駄だと
言うことを解らせる為らしいです」
「なんつうか、嫌な妖怪だな。んで退治する訳か。」
「おそらくは」
「何でそんな曖昧なんだ?」
「詳しく聞いてないんですよ。村で話すそうです」
「あ、そう」
そのまま話は遺産へと戻り、悠真が眼を光らせながらそれについて話すのを聞いているといつの間にか村についた。
「あ。紅夜様、良くおいで下さいました。私が依頼したもので
ございます」
村の入り口で待っていた男に声をかけられ、一つの家に二人は通された。そこの娘がお茶を入れ、紅夜と悠真の前に丁寧にそれを置いたのに一度眼をやりお礼を言うと再び男に視線を戻し話し始めた。
「で。私はどうすればいいのですか?」
「はい。今夜うちの娘が狙われているのです」
「あの娘さんが?」
前へ 閉じる 次へ
|
|