「俺が、倍の値段で買います」
「ば、馬鹿いうんじゃない!これは普通の金持ちでも手に入ら
ない程高級なんだ。失礼だが君のようなものが手に入れられ
る代物じゃないんだよ」
「買います!今お金おろしてきます!!」
「もう銀行は閉まっとるよ」
「…わかりました。明日必ず払いますから」
「信用できん」
「だったら此処に連絡してください」
そういってメモ用紙にさらさらと何かを書き店主に渡す。
店主はフェイを片眉あげ一瞥すると渡された紙を見て驚愕し
た。
「フェイ=アーリベイト!?あの…ぼったくり大魔神!?」
「な、なんですか!?その変なあだ名は!?とにかくつけとい
てください!!明日払いにきますから」
「ああ、分かった」
フェイは店主からその箱を受け取ると、妖しげなお店に駆け込こむ。少し年配のおじさんは優しそうに笑うと言った。
「ああ、フェイ。珍しいな。今日もどこぞの金持ちからの依頼
か?」
「いや、今日は個人だ」
「ほう、やっと本業開始か?」
|
|
「だからー、何で皆そういうかな。俺の本業はオルゴール店の
従業員!それより急いでるんだ」
「急用か、言ってみろ、すぐ用意する」
「えっと、蛙の足とトカゲの尻尾、鼠の爪にユニコーンの角、
龍の血に…」
次々と休み無く言うにもかかわらず店の主人はあせりもせずただ淡々と品をテーブルの上にそろえていった。
「あ、悪いんだけどさ。つけといて貰える?今日金持ってない
んだ」
「ああ、いつでもかまわんよ。なんてったってうちのVIP
だ」
「はは、ありがと。じゃ」
「ああ、気をつけてな」
フェイは街を出て自分の家に入り一時間後、家を飛び出すと箱と小瓶を抱えて森へと駆けていく。
リーシャはいつもの場所にはいなかった。
「リーシャ!」
その名を叫ぶが声が聞こえるはずもなくただひたすら探し続ける。大体森の中心へ来た時、開けた場所の中央の祭壇の上に彼女は座っていた。
前へ 閉じる 次へ
|
|